Interview

2024.07.06

外川

3.9 miles projectのブランド戦略の根幹とは

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3.9 miles projectのブランド戦略の根幹とは

金田 隼人さん

株式会社ネームレス代表取締役 / 深谷市渋沢栄一政策アドバイザー

地元深谷市の偉人・渋沢栄一の生き方を目指し、これまで20社の設立に参画し、50社の設立に関与。独自の伴走的思考法であるプロデュースシンキングを研究し、大手企業や自治体、教育機関で授業も行っている。リレイル代表の和泉と出逢い、銚子に何度も通い、3.9 miles projectの立ち上げ時から参画。

3.9 miles projectでは、銚子の挑戦インフラを創ることを掲げ、分散型ホテル構想の推進や様々な挑戦者と共に新しい場づくりや事業を展開しています。今回は、3.9 miles projectのプロデューサーとして活動する金田さんにプロジェクトに込めた想いやブランドとして大事に紡いだエッセンスについてお聞きしました。

この上ない銚子への入口をいただいたのがプロジェクト参画のキッカケ

和泉:金田さんは普段、東京を拠点に活動されていらっしゃいますが、銚子との接点はどのように生まれたのでしょうか?

金田:これまで5回程度、銚子に本プロジェクトでご一緒している和泉くんの案内の元、訪問をしていて、千葉県銚子市を盛り上げたいという想いに共感していました。僕も応援したい気持ちで、和泉くんが独立するタイミングで、リレイル(代表取締役:和泉)の設立に関わらせていただき、銚子の関係者の方々とたくさんのご縁をいただく中で、銚子が身近になっていきました。

和泉:ここまで5回、頻繁に銚子に来ていただき、私自身は5年間、傍で支えていただいていますが、銚子の雰囲気や可能性、まちとして見たときにどのように映っていますか?

金田:まずは和泉くんの存在が大きくて、和泉くんを通じて銚子を知れたというのが、この上ない銚子への入口だったのかなと思っています。

いざ銚子に来て、色んな方をご紹介いただきお話していると色んな人と協働しながら、まちを良くしていきたいって想いを持たれている方が多い印象です。

自分だけ良ければいい、自分さえ勝てればいいというよりかは、結果的にまちを良くしたいとか、銚子をどうしていきたいのかっていうところを見据えている方が多いというのが、銚子に訪問するたびに感じたところです。

お互いギスギスしていなくて、お互いの専門分野とか領域を持ちながら、まちのために活動しているイメージです。新しいことにもっと挑戦したいっていう志向性も感じられました。人だけではなくて、まちとしての資源もすごく豊かだと思っていて、漁業を中心に農業も観光もものづくりも様々な側面で銚子というまちのポテンシャルを感じています。

和泉:自分で聞くのも恐縮なのですが、和泉大介という存在の印象はどうですか?

金田:すごく周りの人を慮れる力がある人で、自分の想いを起点に挑戦し続ける、行動し続ける好青年です。きっかけは大学の先輩後輩という関係ですが、出会った当初から絶対どこかで、自分の想いを持って銚子で独立するタイミングが来るという肌感覚はありました。

「いつ始めるの?」と聞いてみたら、まさかこんなに早いタイミングで独立するとは思わなかったですけど、それも含めて和泉大介を象徴するエピソードだと思っています。

これらの結果、今に繋がっていると思いますし、最年少観光大使というのもあり、おもてなしの精神が常に根付いている中で、まちから愛され、若者の夢であり、大人の希望になれる男になると思っています。

和泉:より一層、精進します。

ハードとソフトを兼ね備えた挑戦できるフィールドを整えながら仲間づくりをしていく

和泉:大樹不動産さんの印象とか、地域の不動産会社の役割、意義とか、渡辺社長個人のことでもいいのですが、大樹不動産さんの印象とかどうですか?

金田:まちとして人口が減っていく現実の中で、どうしても需要が減っていく、特に不動産は人の生活を支える、暮らしを支える、商業を支える、様々な意味で衣食住の重要なひとつを担っているので、まちの人口が減っていくと共に、不動産のあり方を見つめ直していく必要がありますよね。

未来を見据えていく中で、何ができるのか、どうしていくとまちのためになっていくのかという自社の事業活動の単位だけではなくて、まちのことを考え、今だけではなく過去も未来も捉えて事業活動していらっしゃるのが渡辺さんからも大樹不動産という会社としての方向性としても、非常に感じられて直感的に関わらせていただきたいなって思ったのが第一印象です。

渡辺さんが2代目としてやられている中で、色んな迷いとか葛藤もあったと思うのですが、やはり接する全ての人に謙虚で、かつ相手の一番欲するところをしっかりと聞いて、それで自身として、自社として何ができるのか、ご一緒できるのか、どうやったら一緒にやっていけるのか、お互いにハッピーなのか、そして、お互いに想いを遂げられるところがあるのかというのを綿密にコミュニケーションしていらっしゃることに驚きと共に感銘を受けました。だからこそ、これだけの構想が描けており、それに賛同する人たちがいるのだと感じています。

和泉:金田さん自身が感じる3.9 miles projectの活動の意義や未来の可能性はどのように感じていらっしゃいますか?

金田:まちのハード面だけではなくソフト面も捉えた上で、3.9 miles projectだと立て付けていることが大きな軸だと思っております。ビジョンとして「銚子の挑戦インフラになる」と謳っている中で、物件の過去・現在・未来を捉えた上での建築設計の上に、精神性を重ねていくところがすごく大事だと思っています。熱量を伝搬させることや挑戦したい、こういうことができるという実感値が徐々に広がっていくことがこのプロジェクトの重要な役割です。銚子で何かしら挑戦していきたいという接点づくりはもちろんのこと、どういう自分なら想いを形として表現できるのかという段階から伴走していくことで、ハードとソフトを兼ね備えた挑戦できるフィールドを整えながら仲間づくりをしていくみたいな感覚があります。

ヒトあってのまちであり、まちの中にはヒトがいる

和泉:3.9 miles projectの、金田さんの役割や今現時点でどういったことをやっているのか改めて教えてください。

金田:最初のミッションとしては、和泉くんや渡辺さんの想いをしっかりと言葉として紡ぎ、第三者に伝わるように表現するというところを担ってきました。HPにも掲載しているネーミングに込めた想いやプロジェクトのビジョンはもちろんのこと、どういうプロジェクトとして銚子の中でありたいのかさまざまな自分たちの中にある想いや意思を言語化していく伴走をしました。少し専門的に言えば、その想いや意思を絶対性の価値と呼んでいて、誰がどうとか、周りがどうだからとか、競合がどうだからとか、他の地域がどうだからではなくて、銚子だからこそ、自分たちだからこそという価値とは何なのかを抽出し表明あるいは表現できる状態にするプロセスをご一緒したと思っています。その上で、想いをしっかり事業として、また社会や地域に対してどのように還元していくのか、どのように表現していくのかをシナリオ化するのが、私の仕事だと思っております。 今はどういう方向性で進めていくのか、プロジェクト自体の戦略みたいなところも含めて関わらせていただいております。

和泉:トップページの1st Viewに「ヒトとまちをつくる」というメッセージがあると思うのですが、これの意味や込めた想いを聞かせてください。

金田:ヒトあってのまちであり、まちの中にはヒトがいるという根本的なまちの有り様を捉えていく中で、まちづくりをするということはヒトづくりをすることとイコールだと捉えたところに1つ意味を込めています。そういう意味で、ヒトとまちを両方一緒につくっていくというメッセージです。もう1つは、その仲間をつくっていくという意味を込めており、ヒトと共にまちをつくるという意味があります。そのため、「ヒトとまち」には「&」の意味と「with」の意味を掛けています。

前編では、3.9 miles projectのHP制作に際して、言葉化した意味やその背景についてインタビューしてまいりました。後編では、まちづくりについての金田さんの考えに触れていきます。